最新テクノロジーを駆使した空圧式筋力トレーニング

11.04.2017

筋力トレーニングが医療として国際疾病治療ガイドラインに

基礎的な運動能力・体力と健康のための定期的な身体運動の重要性については議論の余地はありません。病気の治療とリハビリだけでなく、様々な疾患とその危険因子の両方を予防する上での身体運動の効果については信頼できる科学的証拠があります。

国際疾病治療ガイドラインは、定期的な運動が、高血圧、糖尿病、心臓病などの長期的な病気の予防、治療およびリハビリテーションにおいて、必要に応じた他のライフスタイルの変更および投薬と組み合わせて重要な役割を果たすことを提示しています。

良好な体力と定期的な運動が健康を促進し、早死のリスクを低減することをことは、長い間多くの研究で証明されていました。耐久性トレーニングと日常の身体活動と共に、筋力トレーニングは上記の疾患の予防、治療およびリハビリテーションのための疾患治療ガイドラインに含まれています。例えば、30分間にわたる週一回の筋力トレーニングセッションは、筋力トレーニングを全くしなかった参加者と比較して、冠状動脈性心疾患の発生率を23%減少させたと報告されています。

良好な筋力の状態を保つことは、心臓疾患に対して保護効果を有することも提示されています。最近の研究では、65歳以上で定期的(週2回以上)の筋力トレーニングを行うと、筋力トレーニングを行わなかった人と比べて、死亡リスクが46%低下することが発表されました。

また、冠状動脈性心疾患の治療およびリハビリにおける筋力トレーニングの利点についての強力な証拠もあり、健康上の利益に加えて、運動に基づく心臓リハビリテーションのコスト効率が良いということも見過ごすことはできない事実です。

アイルランドとベルギーで実施された調査では、高齢者の人口とスマート機器と知的技術との関係に関する興味深い発見が紹介されています。この研究の目的は、平均62歳の心臓病患者のリハビリテーションにおける身体運動の補助としてウェルネステクノロジーを使用する場合の参加者の意欲を調査することでした。患者の97%が携帯電話を持ち、91%がインターネットを使用しました。さらに、75%がリハビリの補助として技術を使用することに興味があると報告しました。

数週間前、フィンランドのオウル・ハート・アソシエーションが主催したイベントで発表した講演と同様の内容の調査を行い、その結果が似ていることがわかりました。従って、テクノロジーの使用は高齢者にとっても日常生活の一部でもあり、身体活動を増加させ、継続的に活動内容を監視するためにテクノロジーを利用することが奨励されるべきであると結論づけることができます。

理論的な身体運動の利点は確かに私たちに訴えかけるものがありますが、実際にあらゆる年齢の人々の日常生活に運動を定期化させるためには具体的な行動が必要です。例えば、理学療法士と一緒に作成した個別にカスタマイズされたトレーニング処方は、定期的な身体運動を伴うアクティブな生活のための良い出発点であると思います。

明確で安全な目標設定、漸進的なトレーニング負荷の増加、個人の優先傾向の考慮、運動の体験そのもの、そしてHURスマートジム環境でのフォローアップは、身体活動目標に向けて取り組む際の幅広いサポートを提供します。

おそらく体を起こしてジムやジョギングに行くのが難しい日もあるかもしれませんが、ほとんどの場合、トレーニングセッション終了後、長い間消えることのない新しいエネルギーと爽快感という報酬が持っています。

 

アールト・ハウタラ氏
HUR, リサーチ & 教育ディレクター
フィンランドのエクササイズに基づいたカーディアックリハビリテーションのガイドラインを作成するグループの一員でもあり、フィンランドのメディカルソサエティー「Duodecim」とフィンランドの身体活動・エクササイズトレーニングのガイドラインの執行理事会にも専門家として任命

References

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