タンペレ市、50万ユーロの経費削減 – HURスマートジム

フィンランドの第3都市であるタンペレ市とタンペレ市のリハビリテーションセンター(Tammenlehväkeskus)は、治療プロセスの合理化と治療サイクルの短縮を目的としたパイロットプロジェクトを実施しました。
期間は2021年11月1日から2022年4月30日までで、タンペレ市はすでにインセンティブモデルによる高齢者のリハビリテーションサイクルの効率化で有望な結果を得ています。
高齢者のリハビリテーション期間は一般的に非常に長く、平均で30日です。これには通常、大学病院での1週間または2週間の入院が先行し、1カ月を優に超えます。多くの場合、患者はリハビリの準備が整うまで待たなければなりません。また、リハビリテーション期間中、在宅介護の手配を待つなど、ロスタイムが発生することもあります。
この6ヵ月間のトライアルでは、平均在院日数が31.5日から28.1日へと3.4日短縮されました。つまり、1カ月程度のリハビリ期間から、3日以上の余分な待ち時間が削減されたことになります。
この結果、タンペレ市は6カ月間で約50万ユーロ(日本円でおよそ7600万)の経費削減を実現し、この経費でサービス提供会社には200人の従業員に5万7000ユーロ(日本円およそ870万)の報奨金が支払われました。
「患者の入院初期にホームケアの手配をすれば、患者はより早くケアのプロセスに移行することができます。一人の患者の治療期間が短くなれば、より多くの患者のケアが可能になります」と、タンペレ市の上級管理者であるサンナ・マーッタネンさんは話しています。
リハビリテーションの改善に向けた政策と試み
このプロジェクトを実施したリハビリテーション施設(Tammenlehväkeskus)は1988年に設立され、フィンランドを代表するリハビリテーションセンターとして発展してきました。リハビリの利用者の多くは、タンペレに住む人々で、専門医療機関でさらにリハビリを行うために施設を訪れます。外来サービスは、自治体、Kela (健康保険、失業保険等の社会保障を管轄する機関)、保険会社、そのほかの団体・組織の顧客が利用しています。
この施設の利用者であるエイラ・ベシッコさんは、2ヶ月間のリハビリテーションと筋力トレーニングを実施した後、リハビリテーションセンターから自宅へ戻ることを目指し、車いすから降り、補助付き歩行を開始しました。この施設では、エイラさんのような患者さんのために、2つのHURスマートジムを用意しています。1つ目のジムは2016年に、2つ目のジムは2019年に設置されました。 2つのHURスマートジムは現在、週に最大350人の患者が訪れ、50以上のグループが空圧を利用したトレーニング機器を使用しています。空気圧の負荷により、筋肉や関節に対し、安全でソフトで自然なトレーニングができ、リハビリテーションに最適な機器です。
「もし、このようなジムがなく、病院で自分の体重を負荷とした基本的な動きのみでリハビリをしていたら、ジムでの負荷を徐々に増やす漸増的なトレーニングを実施した場合のように、利用者のコンディションを改善することはできなかったでしょう。筋力の強化とバランス感覚を改善することは、私たちの仕事の大きな部分を占めています」と理学療法士のトゥーラ・ホラッパさんは話しています。
施設のウェブサイト: https://www.tammenlehvakeskus.fi/